子宮頸がん
子宮頸がん検診をうけることが大切です
子宮頸がんは20代~40代の方でもかかりうるがんで、万が一かかってしまってもできるだけ早期に見つかるように(がんになる前の「異形成」という状態を見つけるために)定期的に検診をうけることが大切です。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が原因とされており、HPVはたくさん種類がありますが、そのうちの16型と18型が子宮頸がんの原因の50~70%となっています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて
その16型と18型のHPVの感染を予防するためのワクチンがあります。
世界の多くの国において接種されていますが、日本ではワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されたため、現在「積極的には推奨されていない」状況にあり、調査結果や方針の発表が待たれている状況です。
厚生労働省は以下の文章(HPVワクチンを受けるお子様と保護者の方へ)を発表しています。
「ワクチンを接種した後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに 体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが副反応疑い報告により報告されています。
この症状は機能性身体症状(何らかの身体症状があり、その身体症状に合致する検査上の異常や身体所見が見つからず、原因が特定できない状態)であると考えられています。
ワクチンを接種した後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方はこれらの状態が起きる可能性が高いと考えられているため、接種については医師とよく相談してください。
なお、「HPV ワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状をおこすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家によって評価されています。
また、HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在したこと、が明らかとなっています。」
当院におけるワクチン接種について
ひがしまつど小児科では、ヒトパピローマウイルス16型と18型の感染を予防するワクチンを接種していますが
- 16型と18型以外の子宮頸がんの原因となりうるヒトパピローマウイルスの感染は防げないので、大人になったら子宮頸がん検診を定期的に受けることがとても大切である
- ワクチンを接種した場所が、赤く張れて痛くなることは「非常に多い」が、通常は自然になおる
- これまで、ワクチンを接種した後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、ワクチン接種によって「機能性身体症状」がでてくる可能性がある
これらのことについてご理解いただくよう、お願いします。
参考資料
- 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会ウェブサイト)
- HPVワクチンの接種を検討している方へ(厚生労働省より)
- HPVワクチンを受ける方へ(厚生労働省より)
- ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)予防ワクチンについて(松戸市ウェブサイト)
ひがしまつど小児科における
ワクチン接種の流れについて
(1)ワクチンを接種しても、大人になったら子宮頸がん検診を受ける必要があることを理解する
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(2)(小学校6年生~高校1年生の女性で、公費でうける場合)予診票をお住まいの市から取り寄せる(令和2年3月までは松戸市にお住まいの方のみ公費による接種を行います)
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(3)接種希望日の2週間前から1週間前までに、インターネットで予約する
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(4)接種当日、予診票に必要な事項を記入したうえで受診する
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(5)ワクチン接種後にたちくらみを起こすことがあるので、接種後30分程度、院内でリラックスしてから帰宅する
接種後に、なんらかの症状がある場合は、まずはひがしまつど小児科を受診してください。
状況に応じて、ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関(千葉大学医学部附属病院、等)をご紹介します。